北風ブログ-732

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2023/1/27 更新

評価−1

われわれは、いろいろなものを評価して生きていっています。例えば、購入したテレビは画面がクリアーか音量は十分か、購入したノート型パソコンが十分に機能しているか、雇用した家庭教師が十分に自分の子どもの勉強に貢献しているのか、などなどです。

その時の評価の基準は、インプットとアウトプットの差分となります。1,000円で買った福袋の商品の中身が1,200円分であればインプットとアウトプットの差分200円のゲイン(獲得)ですが、1,200円の福袋の中身が自分にとって値打ちがないものであれば、その福袋の評価は低いものになりますし、もしその中身が自分にとって欲しいものであればその福袋の評価は高いものになります。大変明確ですね。

多くのものの評価は、インプットとアウトプットの差分です。インプットはどれだけお金を払うのかということなので明白ですが、アウトプットが主観によることが多いのも事実です。「日本のラーメンのおいしさははんぱないよね。ラーメン1杯800円は安すぎる、2,000円は払うべきだ」とあるスポーツ選手が言ったそうですが、そのおいしさというのは人によって違うし、そのおいしさに対する対価は主観的になります。ラーメンの材料費は、通常は安いものでしょうがトリュフやキャビアを入れれば極端に高くなります。店主からみればトリュフやキャビアを入れることのインプットとアウトプットの差分がプラスかマイナスかということが、トリュフやキャビアを入れるか入れないかという判断につながります。

ラーメン屋の場合は比較的簡単で、トリュフやキャビアを入れることにより売り上げが倍増して、トリュフやキャビアのコストを凌駕できるか否かが判断基準となります。ある意味供給者と購買者の「需要と供給のバランス」により決まります。子どもの成績が、家庭教師をつけてその数か月後子どもの成績がクラスで10番から5番に上がったら、家庭教師に月謝5万円払って得したと思う母親もいるでしょうし、5万円も出すのなら1番にしてもらわないとだめだ、と思う母親もおられるでしょうね。でも、インプットとアウトプットの差分で決まるというのは大変わかりやすいですね。

ところが会社の場合は、投資とその回収が適切かいなかという判断はなかなかむつかしいものがあります。例えば、ある会社が来月の売り上げを10億円にしようという目標を掲げます。この最終的な目標をKGIと言います。KGIとは“Key Goal Indicator(キーゴールインジゲーター)”の頭文字を取った略語で、達成できたかどうかを計測する最終目標(ゴール)の数字です。ただ、10億円の売り上げをあげよう、と言っても何をどうしたらいいかわかりませんし、どの方向に会社が進めばいいのかわかりません。

このようなときに多くの企業では、適切な目標数値自体の設定をする方式が採用されています。というのもこのような具体的な目標数字の設定が業績に影響することがわかってきたからで、いろいろな計画における目標数値をKPI “Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インジゲーター)”と言います。具体的な数字を掲げてあげるということですよね。たとえば、その10億円の売り上げという目標を実現するために、自社ホームページへのアクセス件数2,000件、ページへの新規登録者数500件、新規商談件数100件など、10億円の売り上げにつながる可能性のある個別の目標数値です。

受験生にしてみれば、「東大に合格する」というのがKGIですが、漠然と東大に受かると言われてもどうすればいいのかわかりません。一日3時間は勉強する、睡眠時間は6時間とする、自分の弱点の数学の勉強を一日1時間はする、などという数字で表すことができる目標はKPIです。ここで大切なことはKPIが達成されればKGIの達成につながるという関係が保証されることですよね。

いかなるKGIに結び付くKPIを設定できるか、ここに肝があります。そのKPIに向かって頑張ったのに売り上げが全然上がらなかったら目も当たられませんよね。

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