北風ブログ-724
2022/12/2 更新
100円ショップ−4
ちなみにイヌやネコが罹患しやすい病気もネットにありました。少し興味がありましたので、ネットから転載してみました。
2021年ペットドックで見つかった病気
(https://ah.aeonpet.com/petdock/より転載)
わんちゃんで見つかった病気
ねこちゃんで見つかった病気
ネコもイヌも歯や口腔の病気が多いのは、うなずけます。イヌもネコも歯を磨く習慣がないからです。これは、歯磨きの重要性を示していますよね。特にイヌもネコも長生きしますから、虫歯ではなく歯周病や歯槽膿漏のために歯を失うようです。実際、アメリカの研究では3歳以上のイヌネコの80%が歯石の問題を抱え、4歳以上のイヌネコの約10%が重度の歯周病を抱えているようです。歯周病は、肝臓や腎臓、心臓の病気の引き金になるのは全く人間と同じです。ですので、イヌやネコの飼い主は、いまペットの歯磨きを熱心にしているようですね。まさしく、人間の子ども並みのケアーですね、いや、それ以上かもしれませんね。
最近の大きな話題はネコの死因です。ネコの病気の図にありますように、ネコは泌尿器の病気が罹患疾患の第一位と書かれています。日本では1,000万頭近いネコが飼われていますが、実はその多くのネコが腎臓病で亡くなっています。このネコの腎臓病に挑んでいる先生がおられます。東京大学の宮崎徹教授は、血液中に存在するAIMという遺伝子を20年前に発見して以来、このタンパク質の研究に打ち込んできましたが、その過程でAIMが腎臓の働きを改善することがわかり、ネコの寿命を大きく伸ばす可能性のある薬の開発に取り組んでおられるそうです。AIMはapoptosis inhibitory macrophage の頭文字を取っているそうです。apoptosisは「離れて落ちる、脱落する」という意味のギリシャ語に由来する語で、プログラムされた細胞死という意味で使われています。inhibitorは「抑制するもの」、macrophageは体内に入った異物を捕食・消化する機能を持つ白血球の一種。つまりAIMは「マクロファージのアポトーシスを抑制するもの」です。
宮崎先生はネコの腎臓病へのAIMの関与を明らかにした論文を医学の国際学術誌Nature Medicine誌に掲載しています。腎臓病は尿の通り道に死んだ細胞がたまっていき最終的に「トイレの排水管が詰まる」ようになって腎臓が壊れるという病気ですが、AIMはそのトイレの詰まりを解消してくれるような働きがあるそうです。体の中に死んだ細胞などゴミがあると知ると、血液中から問題の箇所に行って、「それはここにあります」と知らせる「お札・目印」のようなものです。AIMそのものが問題の細胞を殺すわけではなく、マクロファージなどのほかの細胞がやってきて食べてくれるそうです。ネコの多くは、5 歳ごろ腎障害を起こし、腎不全で15歳ごろに亡くなるというのです。ネコのAIMは年とともに減少するために、腎不全を起こすのです。では、人間も同じように腎不全を加齢とともに起こすかというとそうではなく、人間のAIMはネコのものとはアミノ酸の配列が微妙に違い、人間では年とともに作用しなくならないように遺伝的に調節されているようです。この特徴はトラやライオンなどネコ科の他の動物にも共通していて、逆にイヌやネズミのAIMはきちんと年をとっても作用しているそうです。
このAIMを使った薬の開発を宮崎先生は企業と進めていたそうです。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で研究資金の調達が難しくなり、開発が中断したため2021年夏、苦境がメディアで伝えられると、クラウドファンディングを介して全国のネコ愛好家から東大に寄付が殺到し、2億円を超える研究資金が集まったそうです。この寄付の盛り上がりを受け、複数の製薬企業がこの薬剤の開発への協力を名乗り出ているそうです。そこで、この宮崎先生は東大を退職されて、起業されてこのAIMに関係した創薬を始めるそうです。研究とビジネス・社会実装の典型例ですね。驚くことにこの薬の開発が成功するとネコの寿命は2倍以上に伸びるそうですよ。
「ぜひその研究、頑張ってください」とネコ好きのTさんとFさんは言うはずです。
「だれか、私たちの人間の寿命を長くする私たちの研究にも寄付してください!」 と私は心から言いたい。
「そんな薬の開発は絶対やめてくれ!」とネズミ代表は心から言っているに違いありません。